マイルが貯まりやすいとして、陸マイラーから絶大な支持を得ているANAワイドゴールドカード。このカードにはもう一つ上のランクとして、ANA VISAプラチナプレミアムカードが存在しています。年会費は80,000円(税抜き)とかなり高め。それではプラチナカードはどのような点で、ゴールドカードよりも優れているのでしょうか。この記事を参考に、プラチナカードへのアップグレードを検討してください。
Contents
ANA VISA プラチナカードとゴールドカードの基本スペック比較
プラチナカード(ANA VISAプラチナプレミアムカード)とゴールドカード(ANAワイドゴールドカード)では、どういった点が異なるのでしょうか。まずは基本のスペックを確認しておきましょう。
カード種別 | プラチナカード | ゴールドカード |
年会費 | 80,000円(税抜) | 14,000円(税抜) |
総利用可能枠 | 300万円~ | 70万円~200万円 |
キャッシング利用枠 | 100万円 | 50万円 |
申込み資格 | 30歳以上 安定した収入があること カード発行会社の審査に通過した人 |
30歳以上 安定した収入があること |
マイル還元率 | 1.5% | 1.0% |
付帯保険 | 最大1億円 | 最大5,000万円 |
家族カード | 年会費4,000円(税抜) | 年会費4,000円(税抜) |
年会費の額はプラチナカードになるとゴールドカードよりも約70,000円も差が出ます。ただし、基本スペックとして利用可能枠や付帯保険に関してゴールドカードを大きく上回っています。
ANA VISA プラチナカードのポイント制度
基本スペックを見てわかる通り、プラチナカードのマイル還元率は1.5%となっていてゴールドカードよりも0.5%高くなっています。マイル還元率1.5%はそれだけでも高い水準ですが、プラチナカードはそれでだけではありません。ゴールドカードのポイント制度と比較しながら細かく見ていきましょう。
還元率
プラチナカードに限ったことではなく、ANAカードにはポイントの種類が4つ以上あり、ややこしいためここで一度整理しておきましょう。この記事では全てマイルポイントを基本として説明しています。プラチナカードを所有していると、通常ポイントとしてマイルが1.5%還元されます。しかしプラチナカードのポイント還元はそれだけにとどまりません。ここではマイルへの還元を軸に全てのポイントを紹介します。
- ワールドプレゼントポイント
1,000円の買い物ごとにワールドポイント1ポイントが付与されます。
- ボーナスポイント
10万円の利用ごとに会員ステージによってボーナスとして付与されます。ステージはそれぞれ前年利用実績によってV1、V2、V3と分かれています。付与されるボーナスポイントはそれぞれに20、30、60と上がっていきます。
- ボーナスポイント(リボ払いのみ)
返済方法としてリボ払いを利用すると、1,000円の決算ごとに1ポイントが付与されます。
- プレミアムポイント(ポイントアップモールを利用)
1,000円の利用ごとにボーナス1ポイントですが、使用する店舗やサービスによってはこのポイントが2倍から20倍になります。
最初に紹介したワールドポイント以外は全てボーナスポイントという括りになり、1ポイントにつき3マイルのマイルポイントに還元できます。ワールドポイントは1,000円の利用ごとに1ポイントつき、マイルへ還元すると15マイル分のポイントとなります。つまり基本スペックで紹介したマイル還元率は1.5%となるわけです。
継続ボーナス
- プラチナカード 10,000マイル
- ゴールドカード 2,000マイル
プラチナカード、ゴールドカード共に毎年カードの更新をするにあたって継続ボーナスの付与があります。しかし付与されるポイントの量はけた違いです。プラチナカードに関しては10,000マイルとゴールドカードの5倍、8,000マイルも上回ります。一般的に1マイルの価値が2円程度とされているので、円換算すると継続ボーナスだけで16,000円の差が出ます。年会費の差は税抜き66,000円なので、継続ボーナスだけで事実上50,000円のまで差を縮めることになるのです。
マイルへの交換方法
ワールドポイントやボーナスポイントをマイルに還元するには2つの方法があります。自動で交換される「自動移行方式」か、自身の都合によって好きな時に手動で交換する「応募方式」です。プラチナカードで貯まったポイントを全てマイルに交換するのであれば、「自動移行方式」が便利です。飛行機の利用以外にもショッピングなどでポイントを利用する場合は手動交換の「応募方式」がおすすめです。
プラチナカードのワールドポイントやボーナスポイントの有効期限は4年間。ちなみにゴールドの場合は3年間なので、プラチナカードの方は有効期限が1年長いです。マイルポイントの有効期限は3年間です。したがってマイルに還元することを前提にすれば合計で有効期限は7年あると考えても良いでしょう。マイルポイントを利用して、ビジネスクラスやファーストクラスの旅を楽しみたい人であれば長い期間をかけてマイルを貯める「応募方式」を選択しましょう。当然のことですが、有効期限には注意して還元しましょう。
お得にマイルを貯める方法
マイルポイントをお得に貯める主な方法は2点。利用方法によってポイントが早く貯まるので、有効期限内にビジネスクラスやファーストクラスでリッチな旅を楽しめるようになります。
- ANAカードの特約店でカードを利用する
- ANA航空券や機内販売などで利用する
ANAカード特約店や提携店、あるいは対象商品でクレジットカードを利用すれば通常のポイントとは別にマイルポイントが付与されます。提携店によってマイル還元率は違いますが、例えば近くのセブンイレブンで利用した時はどうなるでしょうか。セブンイレブンの場合は200円の買い物ごとに1マイルが付与されます。したがってセブンイレブンで1,000円分の買い物をした場合、通常のポイント15マイルと5マイルで合計20マイルポイントがたまることになるのです。
ANAの航空券や機内食などでカードを利用すると更にお得です。これらの場所でカードを利用すると100円につき2マイルが付与されることになります。つまり1,000円分の機内食で利用したとすると、通常ポイントの15マイルと20マイルが付与されるので合計35マイルポイントが受け取れます。還元率にして、なんと3.5%とかなりお得になります。航空券など高額な商品に利用すれば、マイルポイントはどんどんと貯まっていくのです。
付帯保険制度
カードを選ぶ上で大切な条件の一つが付帯保険制度。特に海外に行った時の病院料金は、国内健康保険を適用した3割負担ではなく全額負担になってしまいます。国によって医療制度は異なり、病院代がかなり高額になることもあります。海外では何が起こるか予想がつかず、思わぬ事故にあってしまうことや伝染病にかかってしまうことも。そういった時でも、カードの付帯保険が充実していれば安心して海外の病院に行くことができます。ここからはプラチナカードの付帯保険について、詳しく見ていきます。
海外旅行傷害保険
プラチナカードを保有していると、1回の旅行につき3か月間の適用が可能な海外旅行傷害保険が付いています。
- 障害死亡・後遺障害 最高1億円
- 障害治療費用 500万円
- 賠償責任 1億円
- 携行品損害 100万円
国内旅行傷害保険
- 障害死亡・後遺障害 最高1億円
- 入院保険金日額 5,000円
- 通院保険金日額 2,000円
- 手術保険金 最高20万円
ショッピング保険
- 補償限度額 500万円
- 対象となる利用 海外・国内利用
- 自己負担額 1事故につき3,000円
- 対象期間 購入日および購入日の翌日から200日間
ゴールドカードの保証額はプラチナカードの約半分になってしまいます。特に海外旅行では何が起こるかわからないため、ゴールドカードの場合は安心のためもう1枚カードを携帯しておく必要があります。しかしプラチナカードであれば、1枚で保険に関しては十分だと言えるでしょう。
ANA VISA プラチナカードを持っていることで受けられるサービス
プラチナカードは当然のことではありますが、最もグレードの高いカードになります。そのためプラチナカードを保有している人には、ゴールドカードでは受けられないサービスがいくつも受けられます。ここからはプラチナカードを持っている人でなければ、受けられないサービスを一つ一つ詳しく紹介していきます。
国内外のラウンジサービス
プラチナカードを保有者にのみに許された権利として、空港のラウンジだけではなく国内線ANAラウンジが無料で利用できます。ANAラウンジは出発の飛行機を待つ際に使用できるラウンジです。ワイドゴールドカード保有者でも使用できる空港ラウンジよりもリッチでゆったりとした空間になっています。
更にプラチナカードを保有者には無料でプライオリティパスがもらえます。プライオリティパスを保有している人は世界120か国、850か所以上の空港に設置してある会員制空港ラウンジを利用可能になります。最高級のサービスを提供してくれる会員制空港ラウンジは、プライオリティパス保有者のみに許された快適な空間です。通常であればプライオリティパスを保有するためには、年間399ドル(日本円で約40,000円以上)を支払わなければなりません。プラチナカードを持っていれば、40,000円ほどのサービスが無料になるのです。
通常ではいけないイベントに参加できる
プラチナカードを保有している人には、ゴールドカード保有者を含め通常ではいけないイベントや海外のアクティビティに参加できます。高級レストランのディナーやゴルフ場での優待プレーはもちろんのこと、海外有名時計ブランドのイベントにも特別に招待してくれます。過去にはこういったイベントのほかに、囲碁のチャンピオンシップの観戦と共に著名棋士による懇親指導碁会にも参加ができるというイベントもありました。
24時間体制でコンシェルジュにコンタクトできる
プラチナカードを所有していると、24時間365日のコンシェルジュサービスを受けられます。サービスを提供するコンシェルジュは熟練者であり、利用者の要求に最大限応えてくれます。例えば国内・国外問わず、旅行時のスカイチケットや鉄道、フェリーの手配やツアーのチケットまで予約してくれます。海外旅行中にトラブルが起こっても、多くの点でサポートをしてくれるので安心です。
またコンシェルジュはレストランやゴルフ場の予約、ギフト商品などの手配まで、プラチナカード保有者を優先して行います。コンシェルジュヘの要望は、具体的ではないものでも大丈夫です。例えば旅行に行った先々で、その土地ならではの食事を楽しみたいと思ったのであれば、その旨をコンシェルジュに伝えます。自身はコンシェルジュからの連絡を待っていれば、おすすめのお店を紹介してくれます。もちろん紹介してくれた店舗から行きたいお店が決まれば予約も全て行ってくれます。電話一本で全ての予約をしてくれるのはプラチナカードならではのサービスです。
一流レストラン、一流ホテルでの特別優待価格利用
プラチナカードを持っていると、自宅に高級レストランの優待サービス券が送られてきます。このサービスはゴールドカードにはありません。高級レストランの優待券が利用できる店舗は洋食・和食・中華・イタリアンなど高級店がそろっています。優待券を使えば、1名分の料金が無料になります。
1名分の食事料金が10,000円だとすると、その料金だけゴールドカードよりもお得になります。1店舗につき2回使用できるので、気に入ったレストランがあれば2回食事ができるのです。もちろん優待券は複数店舗あります。特に東京都、大阪府、愛知県、福岡県にある店舗に集中しているので、これらの地域に住んでいる人にとっては嬉しいサービスになります。
その他、特別優待価格でできるサービス
プラチナカードを持っている人は上記のサービス以外にも、特別優待価格でできるサービスがたくさんあります。例えば、ワイン業界で有名な日本人ソムリエ田崎真也がプラチナカード会員のためだけに厳選した高級ワインを、特別優待価格で購入することができます。さらに海外旅行の際に便利な海外Wi-Fiルーターのレンタルが可能です。海外では日本国内で使用している電波とは異なるため、Wi-Fiのルーターを別途用意する必要があります。レンタル料金はプラチナカード保有者のみの特別料金となります。
羽田・成田空港と自宅の間の送迎ハイヤーも特別割引で利用できます。海外旅行は空港までの移動や帰り道が非常に疲れます。空港と自宅間は送迎ハイヤーを利用すれば、電車の乗り換えや荷物を運ぶ必要もなく快適に移動をすることができます。
まとめ
いかがだったでしょうかプラチナカードを持っていれば
- 継続ボーナスで16,000円相当がゴールドカードよりお得
- プライオリティパスで40,000円相当がゴールドカードよりお得
- 高級レストランでの食事が1名分無料
- マイルポイントの還元率がゴールドカードの1.5~2倍
- その他24時間のコンシェルジュサービスなど、料金には還元できないサービスが多数
ANA VISAプラチナプレミアムカードは、旅をもっとリッチにゆったりとした雰囲気で楽しみたい人にはおすすめのカードです。ゴールドカードには無かった特典やサービスを受けられます。特筆すべきは専属のコンシェルジュがつくことでしょう。プラチナカードを持っていれば、24時間365日コンシェルジュが自身の旅を素敵に演出してくれます。年会費はゴールドカードに比べてグッと高くなりますが、ポイントの還元率と有効期間を加味すれば差額分のもとをとることは十分に可能です。
高級レストランの特別優待券や年会費40,000円以上のプライオリティパスを無料で取得できるなど、サービスをお金に還元して計算すればゴールドカードよりもはるかにお得なカードです。ANA VISAプラチナプレミアムカードは、これまでとは一味違うハイグレードな旅をしたい人にとって取得する価値のあるカードです。